何もしていないのに腰が痛くなる理由

何もしていないのに腰が痛くなる理由

寝ていても痛い、座っていても痛い

患者さまから「なにもしていないのに腰が痛くなった」というお悩みを聞くことは多くあります。

中には問診時にお話をお伺いしている中で「そういえば、あれが原因だったのかも…」と発覚することもありますが、お話や検査をしても良く分からないことも多くあります。夜寝ている時に動いていないのにズキズキと不快な痛みに苛まれ、睡眠の質に悪影響を及ぼしてしまうことがあります。

「歳のせいかな…」と思う人もいるかもしれませんが、当院での経験則に基づくと20~30代の若年層でもこのような症状をお持ちの人もいるため、単純に年齢のせいにはできないと思います。

なぜこのような痛みが発生し得るのでしょうか?

考えられるパターン5つ

この何も思い当たるきっかけがないのに痛くなる原因としては以下のようなパターンが考えられます。

①本人が認識していない動きの悪さ、身体に負担がかかるようなクセがある
②何もしていない=運動不足、筋力低下による腰痛
③精神的ストレス、またはメンタル疾患による腰痛
④尿管結石など内臓系の疾患による腰痛
⑤その他感染症など

当院に来られる方で最も多いのは上記のうち①と②、またはその両方の要素がある場合が多い傾向にあります。運動不足で体幹の筋力が弱り、血行も悪い状態が長く続くと、身体を支える力が衰え、関節や骨格に部分的な負荷がかかり続けやがては痛みが生じます。

また、ラットを用いた実験ですが、関節を固定して動けない状態を続けると、関節内の免疫細胞や滑膜細胞がケミカルメディエーター(痛みや炎症を起こさせる物質)が増えたり、神経系の機能変性が起こり痛みに対し過敏になったりすることが報告されています。(『関節不動化によって生じる筋性疼痛のメカニズムの解析と疼痛発生の予防』肥田朋子,他2013年引用URL:https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-23500624/?utm_)。

実験はラットの四肢で行われているため、人間の腰痛にそのまま当てはまるわけではないですが、運動不足そのものが痛みを”過剰に感じやすくさせている”可能性があるのです。これに類する研究報告は他にも多くあるようです。動かないことがリスクを高めるのです。この場合、痛いからと言って安静にしていても解決はしません。筋肉や関節は適度な運動をすることで正常な状態を保つように設計されているということですね。

メンタル不調が腰痛を引き起こす

③のメンタル不調による痛みは、これも世間一般に思われているよりも多いと思っています。例えば極例ですが、うつ病を患っている方がよくおっしゃるのが「全身が重く痛い」「寝ていても起きていても腰がずっと痛い」「痛みがあちこち移動する」などです。しかし、痛みをおっしゃる部位を検査しても筋肉や靭帯などには特に異常が見当たらないことが多く、原因が特定できないのです。

この現象もハッキリとは解明されていませんが、一説によれば下降性疼痛抑制系という神経の働きが鈍ってしまい、痛みを必要以上に感じるようになってしまうと考えられています。うつ病までいかずとも、緊張した時に肩が凝ったり、引っ越しや職場の部署移動などで慣れない環境にいると腰が痛くなったりと、精神と身体のつながりは想像以上に深いものです。ストレスは万病の素といいますが、腰痛の原因にもなり得るのです。

ただ、これを解決するにも先ほどの①、②と同じく運動によって改善できる可能性があるのです。適度な有酸素運動を行うことで過剰な痛みを抑制し、メンタルの不調を改善していくことが期待できます。当院でも③のタイプだと思しき腰痛には、無理のない範囲での運動を勧める場合があります。筋肉や関節のみならず、人間の身体というものは適度な運動によって正常な状態を保つように作られているのです。

④や⑤に関しては病院での検査が必要になるため、これらが疑わしい場合は病院の方へのご紹介も検討します。

当院では腰痛を訴える患者さんに対して、徒手検査や関節の動作確認を行い、原因究明にあたります。筋肉の固さや運動不足による筋力低下が原因の場合は、適切に運動のアドバイスも実施していきます。
「なにもしていないのになぜか痛い」というお悩みをかかえていらっしゃる方は、放置せず一度ご相談ください。

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