IT化の代償、VDT症候群
VDT症候群とは何か?
「VDT症候群」という単語をご存知でしょうか?
近年のIT普及に伴い、新しく生まれた単語ですが、“Visual Display Terminal” の略であり、要はスマホやパソコンなどの電子デバイスを長時間習慣的に見続けることにより心身に不調をきたすものを示します。別名”IT眼症”や”テクノストレス眼症”などと言ったりします。
この記事を書いている2026年現在では、児童から高齢者までスマホを当たり前のように使っていますが、ほんの10年前、20年前ではここまで普及していませんでしたよね。タブレットやパソコンも小型化、薄型になり、どこでもネットにアクセスし画面を見ることができるようになりました。
明るい画面を見続ける時間はここ数十年で急激に増えています。それによってこのVDT症候群が問題化しはじめたのです。

不調は目だけの問題ではない!
不調には以下の3パターンがあります。
①目の症状・・・眼精疲労、充血、ドライアイ、眼の不快感など
②身体の症状・・・肩こり、頭痛、腰痛、手や足のシビレ感など
③精神の症状・・・イライラ感、不安感、抑うつ症状、食欲不振など
眼の症状はイメージ通りかと思いますが、③の精神症状まで引き起こす可能性があることはあまり認知されていないでしょう。
人間の脳のしくみは大昔の狩りと採集だけで生きていた原始人時代からほとんど変わっていないと言われています。電気が発明されて夜遅くまで明るい環境で過ごせるようになり、IT化によってスマホやパソコンの明るい画面を凝視し続けるようになっても、人間の脳や身体がそれに適応しきれていないのです。
日の出とともに起き、日の入りとともに寝るという生活からしたら、とてつもない変化なのです。室内で長時間座って画面を見続けるという行為は人間の遺伝子が今までに経験したことがない状況であり、多大なストレスを与えてしまうのです。

VDT症候群を改善するには
VDT症候群は運動不足とセットになっているようなものです。
長時間座って動かない状況では腰や肩回りの筋肉が緊張し続け、血行が悪くなってしまいます。また、手や足と同様に眼球を動かすのも筋肉です。眼球の筋肉も動きが悪くなると当然「こり感」「重さ」を生むのです。
最も効果的なのは電子デバイスから離れて遠くを眺めるなどして目を休めることです。作業環境を整える際、以下の点に注意すると良いとされています。
・室内を明るすぎず、暗すぎない照度に保つ。(厚労省の目安では事務作業を行うには500~750lxが好ましいとされる)
・目線はやや下向きになるよう画面の高さを調節し、40cm以上離す。
・エアコンの風などが身体に直撃しないようにする。また、湿度を適切に保つ。
とはいっても、仕事でパソコンを使われる方はなかなか作業時間を減らすわけにもいきませんよね。そこで、当院では眼球周囲や頚部、背部の筋肉の疲労を軽減する施術を実施しています。手技と鍼灸により筋の硬結を改善し、血流を促進することでVDT症候群の症状を改善していきます。
眼のまわりだけにかぎらず、身体の不調の原因はこのVDT症候群によるものかもしれません。デスクワークの疲労にお悩みの方はぜひ当院へご相談ください。




